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カゴ落ちメール完全ガイド|効果的な例文から原因別の対策、法律まで解説

2025/10/31
EC・通販・ネットショップ

ECサイトで商品をカートに入れたまま離脱されてしまう「カゴ落ち」。この気づかぬうちに発生する機会損失に、多くの事業者が頭を悩ませています。

しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。その失われた売上を取り戻すための強力な一手こそが「カゴ落ちメール」です。

この記事では、カゴ落ちメールを活用して売上を回復させるための具体的なノウハウを、効果的な例文から法律の注意点、さらには根本原因を解決するサイト改善策まで、プロの視点で網羅的に解説します。この記事を読めば、明日からすぐに実践できる売上改善のヒントが手に入ります。

まずは結論!カゴ落ちメールで売上を取り戻すための重要ポイント

まずは結論!カゴ落ちメールで売上を取り戻すための重要ポイント

ECサイトの売上を最大化する上で「カゴ落ち」対策は避けて通れません。顧客が商品をカートに入れたにもかかわらず、購入せずに離脱してしまうこの現象は、大きな機会損失を生んでいます。しかし、適切な対策を講じれば、失われた売上を取り戻し、さらなる成長へとつなげることが可能です。

この章では、カゴ落ち対策の全体像と、その中でも特に即効性の高い「カゴ落ちメール」の重要性について解説します。

1. カゴ落ちとは?EC事業者が失っている売上機会

カゴ落ちとは、ECサイトでユーザーが商品をショッピングカートに入れたものの、購入手続きを完了させずにサイトを離脱してしまう状況を指します。これは「カート放棄」とも呼ばれ、EC事業者にとっては売上向上の大きな障壁です。

調査によれば、ECサイトにおけるカゴ落ち率は平均で約70%にも達し、カゴ落ちによる機会損失額は、実際の売上の2倍以上にのぼるというデータもあります。つまり、多くの事業者は、本来得られるはずだった売上の大部分を気づかぬうちに失っているのです。

以下の記事では、カゴ落ちについて詳しく解説しています。

2. なぜカゴ落ちメールは効果的なのか?平均回復率と重要性

カゴ落ちメールが効果的な理由は、すでに商品に興味・関心を示している購買意欲の高いユーザーへ直接アプローチできる点にあります。一般的なメールマガジンと比較して、開封率やクリック率が格段に高い傾向が見られます。

ある調査では、カゴ落ちメールの平均開封率は約43%、クリック率は約10%、そして購入に至るコンバージョン率は約2.4%という結果が報告されています。これにより、カゴ落ちした注文の10~15%が回復されるとも言われており、月間で1サイトあたり平均127万円の売上回復につながったという事例も存在します。

なぜ顧客は購入をやめる?カゴ落ちを引き起こす10の代表的な原因

なぜ顧客は購入をやめる?カゴ落ちを引き起こす10の代表的な原因

顧客が商品をカートに入れたにもかかわらず、購入に至らない背景には、サイトの利便性や価格の透明性、安心感など、さまざまな要因が隠されています。

ここでは、多くのECサイトに共通する10の代表的な離脱原因を解説します。

  1. 送料や手数料など想定外の追加費用
  2. 購入前の会員登録が必須で面倒
  3. 決済プロセスが複雑・長い
  4. 希望する決済手段がない
  5. サイトのセキュリティが不安で個人情報を入力したくない
  6. 配送に時間がかかりすぎる
  7. 合計金額が分かりにくい
  8. サイトのエラーやクラッシュ
  9. 返品・交換ポリシーが不明確、または条件が厳しい
  10. 他のサイトと比較検討するために一旦離脱

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 送料や手数料など想定外の追加費用

購入手続きの最終段階で、商品代金以外に送料や手数料が加算され、想定よりも支払総額が高くなることが、カゴ落ちの最大の原因として挙げられます。

多くのユーザーは商品ページに表示されている価格を基準に購入を判断するため、決済画面で初めて追加費用に気づくと、購入意欲が大きく削がれてしまうのです。特に、低価格な商品に対して送料が高く感じられる場合に、離脱の傾向が強くなります。

2. 購入前の会員登録が必須で面倒

商品をすぐに購入したいと考えているユーザーにとって、購入前に必須とされる会員登録は、手間のかかる大きなハードルとなります。

個人情報の入力やパスワード設定といった作業を面倒に感じ、購入そのものを諦めてしまうケースは少なくありません。特に、一度きりの利用を考えているユーザーにとっては、会員登録のメリットが感じられず、「登録なしで買える他の店を探そう」という心理が働きやすくなります。

3. 決済プロセスが複雑・長い

カートに商品を入れてから購入完了までのステップが多かったり、入力項目が多すぎたりすると、ユーザーは手続きを煩わしく感じて離脱してしまいます。

今どの段階にいて、あとどれくらいで完了するのかが分からないような、見通しの悪い決済フローは特に注意が必要です。ある調査では、購入完了までのプロセスの長さや複雑さが、カゴ落ち原因の18%を占めるというデータもあります。

4. 希望する決済手段がない

クレジットカード決済以外にも、コンビニ決済やスマホ決済、後払い決済など、ユーザーが希望する支払い方法は多様化しています。

特に若年層やクレジットカードの利用に抵抗がある層にとって、利用したい決済手段が用意されていないことは、購入を断念する直接的な理由になり得ます。普段利用しているポイントが貯まる決済方法や、キャンペーン中の決済方法が使えないと分かると、ユーザーは他のサイトへ移ってしまう可能性が高まります。

5. サイトのセキュリティが不安で個人情報を入力したくない

特に初めて利用するECサイトでは、「このサイトは信頼できるのか」「クレジットカード情報を入力しても大丈夫か」といったセキュリティに対する不安が、購入の大きな障壁となります。

運営者情報が乏しかったり、サイトのデザインが古かったりすると、ユーザーは情報漏洩のリスクを感じ、個人情報の入力をためらいます。SSL化(暗号化通信)対応はもちろんのこと、第三者認証マークなどを表示し、サイトの信頼性をアピールすることが不可欠です。

6. 配送に時間がかかりすぎる

商品を注文してから手元に届くまでの期間も、ユーザーの購入判断を左右する重要な要素です。

決済前に配送予定日を確認した際、到着まであまりにも時間がかかると分かると、購入意欲が低下し、カゴ落ちにつながることがあります。「すぐにでも欲しい」というニーズを持つユーザーは、多少価格が高くても、より早く届けてくれる別のECサイトを選んでしまう傾向にあります。

7. 合計金額が分かりにくい

送料や消費税を含めた最終的な支払総額が、決済プロセスの最後の段階まで分からないサイトは、ユーザーに不信感を与えがちです。

カートに入れた時点や、商品ページで支払総額が明確に提示されていないと、ユーザーは予算オーバーを懸念しながら手続きを進めることになります。購入ボタンを押す直前まで合計金額がはっきりしない設計は、ユーザーを不安にさせ、カゴ落ちを引き起こす大きな原因となります。

8. サイトのエラーやクラッシュ

購入手続きの途中でウェブサイトにエラーが発生したり、ページがクラッシュ(強制終了)してしまったりすると、ユーザーはそれまでの入力が無駄になったと感じ、購入意欲を完全に失ってしまいます。

再度の入力作業を強いられるだけでなく、「このサイトは大丈夫なのか」という不信感にもつながり、二度と訪問してもらえなくなる可能性すらあります。技術的な問題による離脱は、事業者側にとって最も避けたい機会損失の一つです。

9. 返品・交換ポリシーが不明確、または条件が厳しい

「サイズが合わなかったらどうしよう」「イメージと違ったら返品できるのか」といった購入後の不安は、特にアパレルや高額商品において、ユーザーが購入をためらう大きな要因です。

返品・交換に関する規定がサイト内で見つけにくかったり、内容が消費者にとって厳しい条件だったりすると、ユーザーは安心して購入ボタンを押すことができません。返品ポリシーが不明確であることは、購入の最終的な決断を妨げる大きなリスクとなります。

以下の記事では、返品ポリシーについて詳しく解説しています。

10. 他のサイトと比較検討するために一旦離脱

必ずしもサイトに問題があるわけではなく、ユーザーが商品を複数のサイトで比較検討するために、一時的にカートを利用するケースも少なくありません。

カートを「お気に入りリスト」や「あとで見る」機能のように使い、最も条件の良いサイトで購入しようと考えるのは、消費者として自然な行動です。このタイプの離脱は防ぎようがありませんが、カゴ落ちメールなどで再訪を促し、購入を後押しすることが有効な対策となります。

効果を最大化する!カゴ落ちメール作成と配信の5つの鉄則

効果を最大化する!カゴ落ちメール作成と配信の5つの鉄則

カゴ落ちメールは、ただ送ればよいというものではありません。成果を最大化するためには、顧客の心理や行動を深く理解し、計算されたアプローチが不可欠です。

配信のタイミングから件名、内容、そしてパーソナライズに至るまで、5つの重要な鉄則が存在します。

  1. 【タイミング】最も効果的な配信は「1時間後」「24時間後」「3日後」の3段階
  2. 【件名】開封率が変わる!思わず開きたくなる件名テンプレート10選
  3. 【内容】メールに含めるべき6つの要素(商品情報・CTA・レビュー・特典など)
  4. 【配信回数】「うざい」と思わせない!最適な配信頻度と停止導線の確保
  5. 【パーソナライズ】顧客の名前や閲覧履歴を反映させて特別感を演出

これらを着実に実行することで、カゴ落ちメールは単なるリマインダーから、売上を劇的に改善する強力なマーケティングツールへと進化するのです。

1. 【タイミング】最も効果的な配信は「1時間後」「24時間後」「3日後」の3段階

カゴ落ちメールの効果は、配信するタイミングによって大きく左右されます。最も効果的とされるのが、カゴ落ち発生から「1時間後」「24時間後」「3日後」の3段階に分けたアプローチです。

最初の1通は、ユーザーの記憶が新しく購買意欲も高い「1時間以内」に送ることで、「うっかり忘れ」による離脱を効果的に防ぎます。2通目は24時間後に送り、比較検討しているユーザーの購入を後押しします。そして3通目は3日後に、クーポンなどの特典を付けて迷っているユーザーの最後のひと押しを狙うのが一般的です。

2. 【件名】開封率が変わる!思わず開きたくなる件名テンプレート10選

メールを開いてもらえなければ、どんなに素晴らしい内容も意味がありません。カゴ落ちメールにおいて件名は、開封率を左右する極めて重要な要素です。

ユーザーの心を引きつけ、思わず開封したくなるような工夫が求められます。「【〇〇様へ】カートに入れた商品のお知らせ」のようにパーソナライズしたり、「【本日限定】カートの商品が10%OFF」のようにメリットを提示したりするのが効果的です。

目的件名テンプレート例
リマインドお買い忘れはございませんか?
〇〇様、カートに商品が残っています
ご購入手続きが完了しておりません
メリット訴求【特別クーポン】カートの商品にご利用いただけます
カートの商品が今なら送料無料に!
【〇〇様限定】特別なオファーのお知らせ
希少性・限定性カートに入れた商品の在庫が残りわずかです
【セール終了まであと3時間】お急ぎください!
この人気商品、まもなく完売です
問いかけ購入手続きでお困りではありませんか?

3. 【内容】メールに含めるべき6つの要素(商品情報・CTA・レビュー・特典など)

効果的なカゴ落ちメールには、ユーザーの購入意欲を再燃させるための複数の要素を盛り込む必要があります。

カートに入れた商品の画像や名前、価格といった「商品情報」を分かりやすく提示し、顧客の記憶を呼び覚ますことが最初のステップです。その上で、「カートに戻る」「購入手続きに進む」といった明確なCTA(Call To Action:行動喚起)ボタンを設置し、スムーズな購入導線を確保します。

さらに、他の購入者の「レビュー」や評価、購入を後押しする「特典(クーポンや送料無料)」、そして「よくある質問」へのリンクやサポート連絡先などを加えることで、ユーザーの不安を解消し、購入への最後の壁を取り払うことができます。

4. 【配信回数】「うざい」と思わせない!最適な配信頻度と停止導線の確保

カゴ落ちメールは強力な施策ですが、配信頻度を間違えるとユーザーに「うざい」「しつこい」というネガティブな印象を与え、ブランドイメージの低下やメールマガジン全体の配信停止につながる危険性があります。

そのため、配信回数は最大でも3回程度に留めるのが一般的です。最も重要なのは、ユーザーがいつでも簡単に配信を停止できる「配信停止導線」をメール内に必ず明記することです。これにより、ユーザーは不要だと感じた際に自らの意思でオプトアウトでき、事業者側も無駄なアプローチを避けて、良好な顧客関係を維持できます。

5. 【パーソナライズ】顧客の名前や閲覧履歴を反映させて特別感を演出

画一的な内容のメールを一斉送信するのではなく、顧客一人ひとりに合わせた内容を届ける「パーソナライズ」は、メールの開封率とクリック率を飛躍的に高めます。

メールの件名や本文に顧客の名前を入れるだけでも、「自分宛の特別なメッセージ」という印象を与え、エンゲージメントを高める効果があります。

さらに、顧客の閲覧履歴や過去の購入履歴を分析し、「カートに入れた商品と関連性の高いおすすめ商品」を提案したり、その顧客だけに適用される特別なクーポンを提供したりすることで、顧客満足度を向上させ、長期的なファンになってもらうきっかけをつくることができるのです。

【コピペOK】すぐに使える!目的別のカゴ落ちメール例文3選

【コピペOK】すぐに使える!目的別のカゴ落ちメール例文3選

カゴ落ちメールは、配信するタイミングやユーザーの心理状態に合わせて内容を最適化することで、その効果を飛躍的に高めることができます。

ここでは、3段階の配信シナリオ(1通目:リマインド、2通目:インセンティブ、3通目:希少性のアピール)に沿って、コピー&ペーストしてすぐに使える目的別のメール例文を3つご紹介します。

1. シンプルなリマインドメール(1通目におすすめ)

カゴ落ちから1時間後など、まだユーザーの記憶が新しく購買意欲も高い段階で送る最初のメールは、あくまで「親切なお知らせ」というスタンスで、さりげなく買い忘れをリマインドすることが重要です。

この時点では、サイト訪問へのお礼を伝え、商品をカートに入れたままになっていることをシンプルに伝えるだけで十分な効果が期待できます。押しつけがましい印象を与えず、スムーズに購入手続きに戻れるよう手助けする内容を心がけましょう。

件名: お買い忘れはございませんか?【ショップ名】より

本文:

〇〇様

この度は、【ショップ名】をご利用いただき、誠にありがとうございます。

〇〇様のショッピングカートに、商品が残っているようです。
お買い忘れはございませんか?


【カートに残っている商品】

(商品画像)

商品名: XXXXXXXX
価格: ¥XXXX

▼ご購入手続きの再開はこちら
[カートに戻る]

もし購入手続きに関してお困りの点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

※本メールと行き違いですでにご注文済みの場合は、何卒ご容赦ください。

2. クーポンや特典で再訪を促すメール(2通目におすすめ)

シンプルなリマインドだけでは購入に至らなかったユーザーに対しては、価格がネックになっている可能性があります。

カゴ落ちから24時間後などに送る2通目のメールでは、ささやかなクーポンや送料無料といった特典を提示することで、購入をためらうユーザーの背中をそっと押してあげることが有効です。単なるリマインドではなく、「あなただけの特別なご案内」という形でメリットを提示し、再訪と購入を促します。

件名: 【〇〇様へ】カートの商品にご利用いただける限定クーポンのお知らせ

本文:

〇〇様

先日は【ショップ名】のサイトへお越しいただき、ありがとうございます。

カートに残っている商品ですが、その後ご検討いただけましたでしょうか。
もしよろしければ、今回〇〇様に限りお使いいただける特別なクーポンをご用意いたしました。
この機会に、ぜひご利用ください。


【カートに残っている商品】

(商品画像)

商品名: XXXXXXXX
価格: ¥XXXX

▼5%OFFクーポンコード
XXXX-XXXX
(有効期限:〇月〇日まで)

▼クーポンを使って購入手続きに進む
[カートに戻る]

※他のクーポンとの併用はできませんのでご了承ください。

3. 在庫僅少や限定性で希少性をアピールするメール(3通目におすすめ)

最後のひと押しとなる3通目のメールでは、「今買わないと損をするかもしれない」という心理に働きかけるのが効果的です。

カゴ落ちから3日後など、ユーザーの関心が薄れ始めるタイミングで、「在庫残りわずか」や「期間限定価格」といった情報を伝え、希少性をアピールします。「この機会を逃したくない」という感情を喚起し、迷っているユーザーの即時行動を促すことを狙います。ただし、多用すると信頼を損なうため、本当に在庫が少ない商品などに限定して使いましょう。

件名: 【在庫残りわずか】〇〇様が検討中の商品についてのお知らせ

本文:

〇〇様

いつも【ショップ名】をご利用いただきありがとうございます。

〇〇様がカートに入れていた以下の商品ですが、大変ご好評につき、在庫が残りわずかとなっております。


【在庫僅少商品】

(商品画像)

商品名: XXXXXXXX
価格: ¥XXXX

人気商品のため、売り切れの際はご容赦ください。
もし、まだご興味がございましたら、お早めのご検討をおすすめいたします。

▼在庫を確認してお手続きを進める
[カートに戻る]

またのご利用を心よりお待ちしております。

意外な落とし穴!カゴ落ちメール配信前に知るべき3つの注意点と法律

意外な落とし穴!カゴ落ちメール配信前に知るべき3つの注意点と法律

カゴ落ちメールは売上回復に直結する強力な施策ですが、その一方で思わぬ落とし穴も潜んでいます。法律への対応や個人情報の取り扱い、ブランド戦略といった観点から、配信前に必ず押さえておくべき注意点が存在します。

これらを軽視すると、法的な罰則を受けたり、長期的なブランド価値を損なったりするリスクさえあるのです。

  1. ユーザーの同意は必要?特定電子メール法との関係
  2. 個人情報の取り扱いで注意すべきポイント
  3. クーポンの乱発がブランド価値を損なう危険性

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. ユーザーの同意は必要?特定電子メール法との関係

購入を促すカゴ落ちメールは、法律上「広告宣伝メール」に該当します。そのため、特定電子メール法に基づき、メールを送信するには原則として事前にユーザーの明確な同意(オプトイン)を得ることが必要です。

オプトインとは、ユーザーが自らの意思で情報の受信を許可することです。「広告・宣伝メールの送信に同意する」といったチェックボックスを会員登録フォームなどに設置し、ユーザーが同意した記録を保管しておかなければなりません。同意なくメールを送信した場合、法律違反と見なされ罰則の対象となる可能性があるため、必ず対応が必要です。

2. 個人情報の取り扱いで注意すべきポイント

カゴ落ちメールを配信するということは、顧客のメールアドレスやカート情報(何に興味を持っているか)といった個人情報を取り扱うことを意味します。これらの情報は、個人情報保護法に則って厳格に管理されなければなりません。

プライバシーポリシーの中で、取得した個人情報を「商品やサービスの案内・広告宣伝のため」に利用する旨を明記し、その目的の範囲内でのみ利用することが不可欠です。顧客から預かった大切な情報であるという意識を持ち、セキュリティ対策を万全にすることは、EC事業者としての信頼を維持する上で極めて重要です。

3. クーポンの乱発がブランド価値を損なう危険性

購入を後押しするクーポンは効果的な手段ですが、その使い方には注意が必要です。

カゴ落ちメールで安易にクーポンを乱発すると、顧客の中に「待てば安くなる」「クーポンがないと買わない」という心理が根付いてしまいます。

その結果、通常価格での販売が難しくなり、ブランド全体の価値が「安売り」のイメージに引きずられて低下する危険性があります。クーポンはあくまで特別なインセンティブとして限定的に使用し、ブランドの価値を毀損しないよう慎重な運用が求められます。

根本原因を解決へ!カゴ落ち率を下げるためのサイト改善策

根本原因を解決へ!カゴ落ち率を下げるためのサイト改善策

カゴ落ちメールは離脱した顧客を呼び戻す有効な一手ですが、それはあくまで一時的な売上回復を狙う「対症療法」に過ぎません。顧客がなぜ購入をためらったのか、その根本的な原因に目を向けなければ、カゴ落ちという“穴の空いたバケツ”の状態は変わりません。

本当の課題はサイトそのものにあり、使い勝手や購入時の安心感を高める地道なサイト改善こそが、ECサイトを長期的に成長させる鍵となります。

1. カゴ落ちメールは対症療法。本当の課題はサイト内にあり

カゴ落ちメールは、すでに購買意欲の高い顧客に再アプローチできるため、即効性のある売上回復策として非常に有効です。

しかし、顧客がサイトを離脱したのには、送料が不明瞭だったり、決済プロセスが複雑だったりといった、サイト側に何らかの理由があるはずです。カゴ落ちメールで一時的に顧客を呼び戻せても、サイトの根本的な問題が解決されていなければ、同じ理由で再び離脱されてしまう可能性があります。カゴ落ち率を本質的に改善し、機会損失を最小化するためには、メール施策と並行してサイト自体の利便性や信頼性を向上させる取り組みが不可欠なのです。

2. 購入の不安を解消する「返品ポリシー」の重要性

ECサイトにおける最大の障壁は、商品を直接手に取って確認できないことから生じる顧客の不安です。

特にアパレルや靴など、サイズ感や質感が重視される商品では、「イメージと違ったらどうしよう」という不安が購入のブレーキになります。そこで重要になるのが、分かりやすく安心感のある「返品ポリシー」です。「返品送料無料」や「自宅で試着OK」といった寛容な返品条件は、購入のハードルを劇的に下げ、CVR(コンバージョン率:購入に至る割合)を向上させる強力なマーケティングツールとなり得ます。

3. 面倒な返品手続きをなくし、CVRを改善する「返品くん」という選択肢

寛容な返品ポリシーが重要だと分かっていても、返品対応には手間やコストがかかるため、導入に踏み切れない事業者も少なくありません。

そこで有効な選択肢となるのが、返品・交換業務を自動化するツール「返品くん」です。返品くんを導入すれば、これまで電話やメールで時間をかけて行っていた返品受付や在庫確認、交換手続きといった一連の作業を自動化できます。ある事例では、返品対応に要していた月30時間の作業がわずか3時間に短縮され、4人がかりだったCS体制が1名で済むようになったという報告もあります。

従業員も顧客も満足なEC運営を実現する「返品くん」。まずはお気軽にお問合せください。

4. 返品対応の自動化が顧客満足度とリピート率を高める理由

返品対応の自動化は、業務効率化だけでなく、顧客満足度とリピート率の向上にも大きく寄与します。

24時間365日いつでもオンラインで返品申請ができるため、顧客は営業時間に合わせて電話をかけたり、メールの返信を待ったりする必要がありません。迅速でストレスのない返品体験は、ブランドへの信頼感を高め、万が一の時も誠実に対応してくれるという安心感につながります。一度スムーズな返品を経験した顧客は、「このショップなら安心してまた買い物ができる」と感じ、リピーターになる可能性が高まります。

以下の記事もあわせてご覧ください。

カゴ落ちメールに関するよくある質問

カゴ落ちメール施策を進める上で、多くのEC事業者が抱く疑問は共通しています。

ここでは、プラットフォーム別の設定方法から効果測定の指標、そしてBtoBビジネスにおける有効性まで、代表的な質問とその回答をまとめました。

1. Shopifyでカゴ落ちメールを設定する方法は?

Shopifyでは、管理画面の「マーケティング」から「自動化」へと進み、「カゴ落ち」のテンプレートを有効にするだけで、基本的な自動配信設定が完了します。

標準機能では1回の送信ですが、メールの文面をより細かく編集したり、複数回にわたって配信したりしたい場合は、「CRM PLUS on LINE」や「Automizely」といった専用アプリを導入することで、より高度なシナリオ設計が可能になります。これらのアプリを使えば、顧客の行動履歴に応じた、さらにパーソナライズされたアプローチを実現できます。

2. カゴ落ちメールの平均的な開封率やクリック率は?

カゴ落ちメールは、一般的なメールマガジンと比較して非常に高いエンゲージメントが期待できます。

複数の調査データを総合すると、平均的な開封率は40~50%前後、クリック率は10%前後、そしてメール経由での購入率は3%前後に達します。これは、すでに商品への関心が高い見込み顧客に直接アプローチできるためで、費用対効果の非常に高い施策と言えます。通常のメルマガの開封率が10~20%程度であることを考えると、その効果の高さがうかがえます。

3. 効果測定はどのような指標(KPI)を見ればよいですか?

カゴ落ちメールの効果を正しく測定するためには、複数の指標を組み合わせて分析することが重要です。

具体的には、「メール配信数」「開封率」「クリック率(CTR)」「メール経由の購入率(CVR)」「回復した売上金額」などが主要なKPI(重要業績評価指標)となります。これらの数値を定期的に追いかけ、件名や内容、配信タイミングを変えたA/Bテストを実施することで、施策全体の成果を最大化できます。

4. BtoBのECサイトでもカゴ落ちメールは有効ですか?

BtoB(企業間取引)のECサイトでも、カゴ落ちメールは有効な施策です。

ただし、個人向け(BtoC)とは異なり、BtoBでは購入決定までに複数人が関与したり、稟議プロセスがあったりと検討期間が長くなる傾向があります。そのため、単に購入を促すだけでなく、製品の仕様資料や導入事例を送るなど、検討を後押しするようなコンテンツを提供し、中長期的な関係を構築する「リードナーチャリング」の視点が重要になります。

まとめ:カゴ落ちメールとサイト改善の両輪でECサイトを成長させよう

カゴ落ち対策は、失われた売上を取り戻すだけでなく、顧客との関係を深め、サイト全体の価値を高めるための重要な取り組みです。

カゴ落ちメールという即効性のある「対症療法」で離脱した顧客を呼び戻しつつ、カゴ落ちの根本原因となっているサイトの問題点を「根本治療」していく。この両輪を回し続けることこそが、ECサイトを継続的に成長させるための王道と言えるでしょう。

まずはカゴ落ちメールから着手し、そこで得られた顧客の反応を分析しながら、決済プロセスの簡略化や返品対応の改善といった、より本質的なサイト改善へとつなげていきましょう。

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