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ec(eコマース)とは?市場規模・8つのメリットと5つのデメリットを解説

2023/10/13
EC・通販・ネットショップ

「ec(eコマース)とは何?」とお考えの方はいませんか?

近年、企業個人問わずECサイトの開業や運営を始める方が増えているため、一体何なのか気になる方もいるでしょう。

本記事では「ec(eコマース)」について、種類や市場規模、8つのメリットと5つのデメリットを解説します。

ec(eコマース)の基礎知識

ec(eコマース)は英語の「Electric Commerce」の略称です。日本語に訳すと「電子商取引」を意味します。

わかりやすく解説すると、インターネットを通じて商品やサービスの販売・購入などを行う取引形態のことです。

ちなみに、ec(eコマース)の発祥には諸説あるものの、最も有力な説として1994年にアメリカにあるサイト「Net Market」と呼ばれる場で行われた取引が始まりではないかと考えられています。

また、日本でec(eコマース)が本格化されたのは1996年以降で、長い歴史を持っている電子商取引なのです。

ec(eコマース)サイトの構築や運営に必要な「ECプラットフォーム」とは?

プラットフォームとは、多くの企業や個人が自身の商品やサービスを販売するための「場」を提供する形態のeコマースを指しているもので「ECモール」や「インスタントEC」「クラウドEC」など種類はさまざまです。

プラットフォーム解説
ECモール型多くの企業や個人が自分の商品を出品・販売するためのオンライン商業施設プラットフォーム
インスタントEC型無料でECサイトを開設できるプラットフォーム
ASP/SaaS型クラウド上で提供されているソフトウェアをインターネットを経由して利用するプラットフォーム
オープンソース型無償で公開されているソースコード
クラウドEC型ECサイトの構築や運営をクラウド上で行うプラットフォーム
パッケージ型ECサイトの構築や運営に必要な機能がパッケージングされているプラットフォーム

構築・運営していくECサイトの方向性や規模によって、どのプラットフォームを利用するべきか検討します。

6つの中でも知名度が高いECモール型には「マーケットプレイス型」「テナント型」「総合管理型」の3種類があり、Amazonや楽天市場はマーケットプレイス型、テナント型を採用しています。

ちなみに、ここで解説したプラットフォームを使用せずにECサイトの構築・運営していく場合は「フルスクラッチ」と呼ばれ、自社にあわせた独自のECサイトを作り上げたいと言うケースにオススメです。

ただし、フルスクラッチは多くの費用と開発期間が必要で、サーバーなどのインフラも自社で用意する等手間がかかるため、初めてECサイトを構築・運営する際にはECモールやパッケージなどを利用するべきでしょう。

ec(eコマース)の種類とその特徴

上ではECサイトを構築・運営する上で知っておくべきECプラットフォームについて解説しました。

ただ、他にも取引の主体によってec(eコマース)には複数の種類があります。

ここでは、それぞれの種類と特徴について解説しますので、参考にしてください。

BtoB型

BtoB型(Business to Business)とは、企業間取引を指すeコマースの一種です。製造業者から卸売業者、小売業者への商品の供給や、商材、サービスの提供などが行われます。

BtoB型の特徴は次のとおりです。

  1. 企業向けの商品やサービスが主体のため、大量取引ができる
  2. 一定の信頼関係が形成されれば、長期的なビジネス関係を結べる可能性がある

BtoB型に該当するECサイトは「モール型EC(出店型)」や「自社ECサイト」です。

BtoC型

「BtoC型」は、Business to Consumerの略で、事業者から一般消費者へ直接商品やサービスを販売する形態を指しeコマースの一種です。

基本的にec(eコマース)の世界では、このBtoC型が一般的で、企業が個人に向けて商品を提供し、顧客がそれを購入するという流れをオンライン上で完結させます。

BtoC型の特徴は次のとおりです。

  1. 広範囲の消費者をターゲットにできる
  2. マーケティング効果が見込める
  3. ネットを通じて即時に販売データを把握できる

企業が相手にする顧客は年齢・国柄・性別関係なく広範囲の消費者です。

そのため、実店舗型のように顧客が限定されることなく、高いマーケティング効果が期待できます。

また、オンライン上で行われた取引はデータとして把握できるため、今後の戦略を立てる際にも役立ちます。

CtoC型

CtoC型とは、Consumer to Consumerの略で、一般消費者同士で商品の売買を行う形態を指したeコマースの一種です。ます。この形態の特徴として、個人が不要となった物や自作の商品を簡単に販売できる点が挙げられます。

CtoC型の特徴は次のとおりです。

  1. メルカリやヤフオクなど、個人同士が取引を行う
  2. わざわざECサイトを構築しなくても販売・購入ができる
  3. 個人間取引であるため、商品の質や取引の安全性に懸念が残る

CtoC型は「商品やサービスを売りたい個人」と「商品やサービスを買いたい個人」の取引です。

知名度が高いCtoC型のサイトといえばメルカリやヤフオクなどで、すでにプラットフォームが提供されている状態であるため、わざわざECサイトを構築しなくても、すぐに商品やサービスの販売・購入ができます。

ただし、個人間の取引となると商品の質や取引が安全であるかという点に不安が残ります。

CtoB型

CtoB型(Consumer to Business)とは、消費者からビジネス企業への取引形態を指したeコマースの一種です。イメージとしては「一般消費者が自分のスキルや専門知識を提供するコンサルティングサービス」や「写真」「イラスト」「記事」などのコンテンツ制作が該当します。

CtoB型の特徴は次のとおりです。

  1. 企業に所属しなくても自分のスキルや専門知識を企業へ提供できる
  2. 企業は新たなアイデアを提供してもらえる
  3. 提供されるサービスの質やセキュリティの安全性に懸念残る

CtoB型は一般消費者にとって、わざわざ企業へ所属しなくても自分のスキルや専門知識を活かせる点がメリットです。また、企業側も新たなアイデアや情報、コンテンツを提供してもらえる点が挙げられます。

ただし、提供されるサービスの質が担保できない点や、個人から提供された情報のセキュリティ漏洩などによるトラブルが発生する可能性もあるため、慎重に人材を選定し確保する必要があるでしょう。

DtoC型

DtoC型とは、直訳すると「ディベロッパー(開発者)からコンシューマー(消費者)へ」という意味で、製品やサービスの開発者が直接消費者に販売する形態を指したeコマースの一種です。

ブランドやメーカーが自社のオンラインストアを運営し、自社の製品を消費者に直接販売する形態を指します。

DtoC型の特徴は次のとおりです。

  1. 顧客に対して商品やサービスの魅力をしっかり伝えられる
  2. 顧客の嗜好に合った商品やサービスを提供できる
  3. マーケティングや広告・集客費用は自社負担になる

DtoC型は、仲介業者などを介さずに直接顧客へ商品やサービスを提供できるため、自社の商品やサービスに対する魅力を余すことなく伝えられる点がメリットです。

また、顧客とのコミュニケーションによって「顧客層の嗜好に合った商品やサービスを開発・提供できる」という点も集客、売上の観点で大きなメリットでしょう。

ただし、マーケティングや広告・集客費用などのコストは自社負担になる点や、セキュリティリスク、商品の在庫管理などECサイトを運営していく上でクリアしなければならない壁もあります。

ecとeコマースの違いは?

インターネットでよく見る質問に「ecとeコマースって何が違う?」というものがあります。

結論的に言うと、どちらも同じ意味であり、インターネットを介して商品やサービスを販売・購入するビジネスを指した言葉です。

そのため、わざわざ言葉を使い分ける必要は基本的にありませんが、業界や文脈によっては「ec」であったり「eコマース」とバラバラに使用されているケースもあるため、注意しましょう。

ec(eコマース)の市場規模

ec(eコマース)は年々市場規模を拡大していますが、実際のところどの位?と気になる方もいるでしょう。

ここでは「国内」のec(eコマース)市場規模とその推移を見ていきます。

国内のec(eコマース)EC市場規模とその推移

日本のeコマース市場は近年、急速に拡大しており、その理由としてスマートフォンの普及や、新型コロナウィルスの影響によるリモートワーク、非対面の需要増加が大きく関与していると考えられるでしょう。

以下は、過去5年間の国内eコマース市場規模の推移を示した表です。

年度国内ECサイト市場規模(兆円)
2017年16.5兆円
2018年17.9兆円
2019年19.3兆円
2020年19.2兆円
2021年20.6兆円

※引用:国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)-経済産業省

2021年には大台の20兆円を超え、今後も更に市場規模は拡大していくと想定されています。

海外のec(eコマース)EC市場規模とその推移

海外のec(eコマース)市場も、国内と同じく規模を拡大しています。

2023年8月に経済産業省が発表した「2022年、全世界のBtoC市場」では、統計値713兆円(1ドル131円計算)とされており、今後も2026年までは市場規模を拡大させていく見込みです。

特に、AmazonやアリババなどのECサイトを運営するアメリカや中国の市場成長力が目まぐるしく、アメリカの市場規模は約120億ドル(約1兆7,881億)※1、中国は4,800億元(約9億5,107万8,880円)※2と発表されています。

また、アメリカに関しては2025年には200億ドル(約2兆9,708億8,532万3,827円)※1を上回ると見込まれているなど、今後更に市場規模は拡大していくと考えられるでしょう。

※引用:「令和4年度 デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書-経済産業省

※1:2023年9月27日現在

※2:2023年8月4日現在

ec(eコマース)の8つのメリット

次はec(eコマース)のメリットを8つ解説します。

1.24時間365日営業販売できる

ec(eコマース)の一番の特徴とも言えるのが、24時間365日無休で販売可能な点です。

実店舗では、営業時間や人件費といった制約が存在しますが、ec(eコマース)であればそのような制約はありません。時間や場所にとらわれることなく、顧客はいつでも好きなときに商品を購入できる点は大きなメリットです。

また、店舗を開くための時間的制約もなく、商品の追加や削除も自由自在です。これにより、新商品の投入や売れ筋の商品を優先的に表示するなど、フレキシブルな運営ができるようになります。

2.国内・海外などエリアが限定されない

ec(eコマース)は物理的な場所に縛られることなく、国内外問わずサービスを提供できます。

これは従来の実店舗では考えられないことで、グローバルな視点からビジネスを展開できる点がメリットです。

例えば、日本でECサイトを構築・運営していても海外に住む幅広いニーズを持つ顧客へ商品を販売できますし、24時間365日運営できる点から、時間帯の違いや言語の壁も比較的簡単に解消できます。

3.店舗維持費用などのコスト削減

ec(eコマース)を利用すれば、実店舗を持つ際に伴うコストを削減できる点もメリットです。

実店舗の場合、定期的に家賃や光熱費、店舗設備の維持費、スタッフの人件費などが必要となるため、まだ売上が安定しない状態では大きな負担として経営を圧迫するリスクも考えられます。

ec(eコマース)であれば、上で解説したコストはかからないため、広告などの集客や、運営を円滑に進めていくための資金として利用できます。

4.顧客の膨大なデータを収集・管理しやすい

ec(eコマース)はインターネットを駆使して行われるため、購入履歴や閲覧履歴などの顧客データをデジタル上で簡単に収集できます。これらのデータは、顧客の購買傾向やニーズを把握するための重要な情報源です。

さらに、クッキーやログイン情報を用いてユーザーの行動履歴を詳細に追跡したい際などにも利用できるため、個々の顧客に合った商品提案やマーケティング戦略の策定ができます。

5.ユーザーは豊富な商品からニーズに適した商品を選べる

顧客にとってのec(eコマース)最大のメリットは、豊富な商品からニーズに適した商品を選べる点です。

 特に大手ECサイトでは、多岐に渡るカテゴリーから数百万件以上の商品が掲載されています。これにより、顧客は自分の好みやニーズに最も合った商品を迅速に見つけ出し購入できます。

また、実店舗で考えられるリスク「品切れ」の心配もほとんどありません。 

ほかにも、各商品には詳細な説明やレビュー、評価が表示されているため、商品選びに役立つ情報を手に入れられる点もメリットでしょう。

6.簡単に検索できる

ec(eコマース)は膨大なデータから、簡単に商品を検索できます。

実店舗だと、品揃えの多さや店舗の広さにより、目的の商品を探すのに時間がかかるケースも多く、これは顧客にとってストレスになる可能性があります。

一方、eコマースでは検索機能を使い、商品名やブランド名、カテゴリなどを入力することで瞬時に目的の商品を見つけ出せるため、顧客の購入意欲を減少させる心配なく、購入へ進んでもらえる点もメリットでしょう。

7.注文すれば商品が家に届く

ec(eコマース)を利用する顧客の大半は、商品購入に対して次のような悩みや希望を抱えていると考えられます。

  1. 実店舗が開店している時間帯は仕事で気軽に買い物へ行けない
  2. 欲しい商品があってもじっくり探す時間が確保できない
  3. 一日のスキマ時間で簡単に欲しい商品を探したい
  4. 商品を購入したら、家まで届けて欲しい

上で解説した4つの悩みや希望を抱えている方は多く、その中でも「欲しい商品を買ってそのまま家まで届けてもらいたい」という思いは誰もが抱く感情でしょう。

例えば欲しい商品のサイズが大きかったり、欲しい商品を販売しているお店が家から遠かったりした場合、顧客は購入を断念せざるを得ない状況に陥ります。

そこで登場するのがec(eコマース)です。

eコマースならば、注文した商品が直接自宅に届くため、上のような悩みや希望を持つ方や、移動が困難な高齢者、自分では買い物が難しいという方でも簡単にショッピングを楽しめます。

また、多くの宅配業者は時間指定サービスを提供しているため、顧客が都合の良い時間帯に商品が届くという点もec(eコマース)ならではの魅力でしょう。

8.商品について詳しく説明できる

ec(eコマース)は、店舗のように物理的な制限はありません。そのため、具体的な商品特性、製造過程、使用方法、保管方法など、消費者が知りたいと思う全ての情報を提供できます。

また、写真だけでなくビデオを使用して商品の実際の使い方を示したり、3D画像を使って商品全体を詳しく見せたりもできるため、顧客が商品をより深く理解し、購入の決定を判断する際の助けとなってくれるでしょう。

さらに、レビューや評価システムを導入すれば、実際に商品を購入・使用した顧客の経験や評価を共有できるため、新たな顧客に対して信頼性と透明性を提供し、商品の評価を高めてくれます。

ec(eコマース)の5つのデメリット

次は、ec(eコマース)のデメリットを5つ解説します。

1.競合が多い

ec(eコマース)の世界は、競合企業が非常に多い点が大きなデメリットです。

先ほど市場規模について解説したとおり、年々ec(eコマース)の市場規模は成長・拡大している点や、地域や物理的な距離に左右されず、全世界から様々な企業が集まります。

また販売する商品やサービスも、顧客のニーズや時代のトレンドに合わせたものが多くなるため、同一商品やサービスを提供する企業が増え、競争率は非常に高いという現状があるのです。

例えば、ある人が「ハンドクリーム」をオンラインで探すとき、大手通販サイトだけでなく、各化粧品メーカーの公式サイトや専門の化粧品ECサイトなど、無数の選択肢が存在します。

このような状況の中で、自社のサイトや商品を顧客に見つけてもらうためには、SEO対策や独自の販売戦略など、差別化の工夫が必須となります。

2.集客や宣伝に戦略が必要

ec(eコマース)は、多数の企業と同じ市場で戦わなければならないため、明確な集客や宣伝の戦略が必要です。

例えば、上でも解説したSEO対策や、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の活用、またコンテンツマーケティングといった手法が一般的に用いられます。

集客・宣伝方法特徴
SEO検索エンジンでの表示順位を上げて、顧客の自然流入を促進する
SNSの活用・X(Twitter)やInstagramなどの幅広い層が利用するSNSを活用して、商品情報を発信する
・フォロワーや商品・サービス利用者の口コミ評判で集客する
コンテンツマーケティング・オウンドメディアやブログなどで顧客に対し、価値のあるコンテンツを配信する・一時的ではなく中長期的な収益を獲得するマーケティング手法

ただし、これらの手法は全く知識がない状態では活用できません。

例えば、SEO対策は年々変化しており、去年はトレンドとされた手法が今年は通用しない……というケースもありますし、SEO自体が非常に奥深いものであるため、少し情報を学んだ位では通用するSEO対策は難しいでしょう。

またSNSの活用も、世間で言う「バズる」という現象が起きない限り、急激な集客や売上アップは期待できません。コンテンツマーケティングも専門知識が必須のジャンルです。

そのため、適切なパートナーとの協力や外部の専門家への依頼も視野に入れることをおすすめします。

3.ユーザーに商品の良さを伝える工夫が必要

ec(eコマース)は実店舗と違い、顧客が直接商品を手に取って確認できるのは商品到着後です。

そのため、どのように顧客へ商品の魅力を伝えるか、戦略が必要です。

例えば、高解像度の商品画像を多角度から掲載し、顧客が商品の細部まで確認できるようにする、商品説明は詳細かつわかりやすく、商品の特徴や使用感を伝える文言を工夫するなどの施策を検討する必要があります。

近年ですと、メタバースと呼ばれる仮想空間の認知度が高まっているため、メタバース上で仮想店舗を出店し、商品をアバターが手に取って確認できるようにする、服の場合は試着対応などの策も良いでしょう。

次に、ユーザーレビューや評価も有効です。

私たちが実際に商品やサービスを購入する際、初めに口コミ評判サイトやSNSでの利用者を探します。

特に服、化粧品などは同じようなスタイル、肌質の利用者が提供する口コミ評判は購入を検討する大きな材料となりますし、高額な商品であればなおさら口コミ評判を求める顧客は多いはずです。

このように、他の顧客からのフィードバックは、商品の良さを伝える信頼性の高い手段となります。

さらに、商品を実際に使用している動画を掲載すれば、顧客が実際に商品を使用した場合のイメージがわきやすく、購入意欲を高めてくれる可能性があります。

このように商品の良さを伝えられる工夫を実施することで、結果的に売上アップにつなげられるでしょう。

4.決済方法や配送などユーザーニーズに適した方法を検討する必要がある

ec(eコマース)では、ユーザーニーズに応じた決済方法や配送の選択が不可欠です。一般的に、顧客は決済方法に多様性を求めています。

例えば、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、銀行振り込みなど、選択肢を増やすことによって幅広い顧客がサイトを利用する可能性が高まりますし、利便性を高める効果も期待できるでしょう。

また、配送についても同様です。日時指定や時間帯選択、宅配ロッカーやコンビニ受け取りなど、顧客のライフスタイルに合わせたオプションを提供する点も考えなくてはなりません。

常に顧客目線と顧客の利便性を重視した対応ができれば、商品の売り上げ向上だけでなく、顧客満足度の向上にも繋がるため、事業成功のために重要な要素となります。

5.海外でも営業する場合、複数の言語に対応する準備が必要

ec(eコマース)の場を海外に拡大するときは、複数の言語に対応できるかも重要です。

どれだけ国内で知名度が高くなっても、噂を聞いてサイトを訪れた顧客が言語を理解できなければ購入意欲の減少や、サイト離脱につながってしまいます。

対策として、ウェブサイトの全文を各言語に翻訳する、または少なくとも主要な商品情報や購入手順を翻訳する、などの工夫が必要です。さらに、多言語対応のカスタマーサポート体制も必須となるでしょう。

これらの対応を整えられれば、海外の顧客からも信頼を得られ、売上向上に繋がります。

ec(eコマース)で行う8つの業務内容

次は、実際にec(eコマース)を構築・運営する際に行う8つの業務内容を解説します。

1.サイト制作や適宜改善

一つ目の業務内容は「サイト制作や適宜改善」です。

事業の基盤となるウェブサイトを構築し、定期的な改善を行います。ポイントは顧客が使いやすく、魅力的なウェブデザインやユーザーエクスペリエンスを提供できるよう意識する点です。

  • ユーザーフレンドリーなデザイン:ナビゲーションが簡単かつ直感的であることが重要です。ユーザーが商品を簡単に見つけ、購入できるように設計します。
  • レスポンシブデザイン:スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスで適切に表示されることを確保します。
  • セキュリティ対策:顧客の個人情報や支払い情報を守るために、SSL証明書の導入やセキュリティ対策を実施します。
  • コンテンツ管理:商品情報、価格、在庫情報などのコンテンツを効果的に管理し、最新情報を提供します。

ECサイトの成功は、使いやすさと視覚的な魅力も大きく関連します。顧客視点を忘れないことが大切です。

2.集客

二つ目の業務内容は「集客」です。

ECサイトへのトラフィックを増やすために、SEO戦略、ソーシャルメディアマーケティング、広告キャンペーンなどを活用して、潜在的な顧客を引き付けます。

集客方法は先ほども解説した「SEO」や「SNS(ソーシャルメディア)の活用」のほかにも、Google Adsなどを活用した広告キャンペーンも有効でしょう。

一番手っ取り早く取り掛かれる集客方法としては、自社の公式SNSを解説して情報を発信していく方法です。

ただ、最初は知名度も低く、なかなか集客につながらない可能性もありますが、SNSを活用しつつ、SEO対策の知識を学ぶまたはパートナーの協力を仰ぐなど、全ての方法を並行的に進めていくと良いでしょう。

3.販促

三つ目の業務内容は「販促」です。

方法としては、特別なセール、クーポン、割引などの販促活動で購買意欲を高め、売上を増やします。

  • 特別セール: 期間限定のセールや季節に合わせた割引を提供し、顧客の関心を引きます。
  • クーポンと割引: クーポンコードを提供して、割引を受けられるようにします。
  • リワードプログラム: 忠誠度を高めるためのリワードプログラムを導入し、リピーターを増やします。

中でもクーポンや割引は顧客の興味と関心を惹きやすい販促方法です。

特別セールとあわせて活用したり、会員登録で得られる特典として活用したりしても良いでしょう。

あくまで顧客に興味関心を持たせ、ECサイトへ誘導させるという目的であって、そこからどのように売上へつなげていくかは改めて戦略を練る必要があります。そのためには、どれだけ顧客のニーズを掴めるかも重要です。

4.商品の企画や仕入れ

四つ目の業務内容は「商品の企画や仕入れ」です。

商品の企画は、需要の分析や市場調査を通じて徹底的なリサーチを行い、売れる商品を選定します。

  • トレンドは何か
  • 顧客の潜在ニーズに響く商品やサービスは何か
  • 仕入れる際のコストはどうか  など

商品の仕入れ方法は下の6つが一般的です。

  1. 実店舗から仕入れる
  2. メーカーや作家から直接仕入れる
  3. 卸売業者から仕入れる
  4. オークションやフリマサイトから仕入れる
  5. 海外から仕入れる

どの方法で仕入れるかは、仕入れたい商品の価格や量などと比較して選択すると良いでしょう。

商品の写真撮影や採寸、原稿作成も必要

商品を仕入れた後は、商品を売るために商品の写真撮影や採寸、原稿作成も必須となります。

仕入れ後にやるべきこと理由
商品の写真撮影・商品の特徴を魅力的に伝えるため・顧客に商品を購入後のイメージを与えるため
採寸・衣類や家具などは必ず採寸が必要・顧客に商品を購入後のイメージを与えるため
原稿作成・写真とあわせて商品の魅力を余すことなく顧客へ伝えるため・画像だけでは伝わらない情報を正確に顧客へ伝えるため

商品の写真は顧客にとって非常に重要です。写真は商品の特徴を魅力的に伝え、顧客に購入の決断を促します。

また、採寸は衣類や家具などの「サイズ」や「重量」を把握しないと購入が難しいものには必ず行いましょう。

最後に原稿作成です。

商品の説明文や特徴を明確に伝える原稿は、顧客が商品について理解するために不可欠です。

SEOに配慮したキーワードの使用や、商品情報を正確に記載する、なぜ商品がオススメなのかを顧客に伝えることはもちろん、顧客の興味関心を惹くために、魅力的な文章が書けるよう意識しましょう。

5.マーチャンダイジング業務

五つ目の業務内容は「マーチャンダイジング業務」です。

ec(eコマース)のマーチャンダイジング業務は、商品の陳列、カテゴリー設定、価格戦略、在庫管理などを通じて、販売を最適化し、顧客の購買意欲を高める活動を指します。

マーチャンダイジング業務は、ECサイトでの販売を成功させるために必要な戦略的な活動であり、商品の魅力を最大限に引き出し、顧客の満足度と忠誠度を向上させる役割を果たす重要な業務です。

魅力的なECサイト構築も大切ですが、マーチャンダイジング業務も忘れずに知識を学び、運営に活かしていけるよう意識してください。

6.受発注管理

六つ目の業務内容は「受発注管理」です。

注文の受け付けから発送までのプロセスを効率的に管理し、顧客に正確な納期を提供します。

受発注管理で行う業務は次のとおりです。

  1. 注文を受ける
  2. 注文書の確認
  3. 入金状況の確認(クレジットカード決済などのケース)
  4. 在庫の確認
  5. 生産・発注
  6. 納期の設定
  7. 出荷(配送業者への出荷指示など)

上に記載した以外にも、商品を注文・購入した顧客に対して発送完了通知メールを送る業務や、注文キャンセルや内容の変更に関する顧客対応も含まれるため、業務範囲が非常に広く、人員確保も必要となります。

特に、ECサイトの認知度が広まれば、その分、受発注管理に費やさねばない時間が増えます。

このような負担を軽減するためには「受発注管理システムの導入」が不可欠です。受発注管理システムを導入することによって、人件費削減やヒューマンエラーを削減し、結果的に顧客満足度を高める効果が期待できます。

7.問い合わせ・顧客対応

七つ目の業務内容は「問い合わせ・顧客対応」です。

上で記載した注文キャンセルや変更に関する問い合わせや、商品の返品交換など幅広い顧客からの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応し、カスタマーサポートを提供します。

問い合わせ・顧客対応は、顧客の満足度にもつながる大切な作業で、近年はメールや電話のほかに、LINEでの問い合わせ・顧客対応を行っている企業も増えています。

注意点として、一つひとつの問い合わせへ迅速に対応するためには人員確保が必須です。

解決策として、AIを活用したチャットボットの導入も検討するべきでしょう。

8.総合管理

八つ目の業務内容は「総合管理」です。

ec(eコマース)の総合管理は、eコマース事業全体を組織し、効率的に運営するためのプロセスや活動を総合的に管理することを指します。

  1. ECサイトの管理
  2. 在庫管理
  3. 問い合わせ・顧客対応
  4. データ分析
  5. マーケティング
  6. セキュリティ対策やデータバックアップなどの技術インフラストラクチャー
  7. パートナーシップとベンダー など

ec(eコマース)の総合管理は、上に記載した要素やを含め、幅広い知識や投資コストに対する成果を求められる重要な立ち位置です。特に総合管理型のECサイトを展開する場合は、自社の商品にも詳しくなくてはいけません。

まずは自社の商品やブランドについて学び、実際にECサイトを運営して成功している企業などを参考に自社独自の総合管理方法を模索し、実践していくことが成功の秘訣です。

9.分析

九つ目の業務内容は「分析」です。

ec(eコマース)の分析はビジネス戦略の成功に不可欠であり、運営、マーケティング、顧客満足度の向上に役立ちます。一般的に分析項目は次の7つです。

  1. ECサイトの売上
  2. ECサイトの利益
  3. アクセス数(流入率)
  4. アクセス経路(どのようにECサイトを訪れたか)
  5. 購入単価(一回の購入時に顧客一人あたりが支払う総額)
  6. 生涯顧客単価(一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益、通称LTV)
  7. 直帰率(顧客がECサイトを訪れたが、最初に訪問したページ以外は閲覧せずに離脱している割合)

ECサイトで利益を上げるためには、⑥の生涯顧客単価や、⑦の直帰率もしっかり分析する必要があります。

訪問者が増えるだけで、売上や利益につながらないのではECサイトの成功とは言えません。

これらの分析をするにはGoogle Analyticsやカート分析、コンバージョンファネル分析が有効です。

ほかにも分析に有効となる方法やツールは次のとおりです。

分析に有効となる方法・ツール解説
Google AnalyticsECサイトトラフィックを追跡し、ページビュー、訪問者数、コンバージョン率などのデータを提供します。
カート分析ショッピングカートの利用状況を分析し、アイテムがカートに追加された後のドロップアウト率を特定します。なぜ顧客がカートを放棄するのかを理解し、問題を解決します。
コンバージョンファネル分析顧客がECサイト上でどのステップでコンバージョン(購入などのアクション)を行うのかをトラッキングし、コンバージョンファネルを最適化します。
顧客行動分析顧客がECサイト内でどのページを訪れ、どのような行動を取るかを理解します。顧客のニーズを把握し、ユーザーエクスペリエンスを改善します。
リピーター行動分析リピーター顧客の購買履歴や傾向を追跡し、リピート購入の促進策を検討します。
セグメンテーション顧客を異なるセグメントに分けて分析し、それぞれの行動パターンや傾向を理解します。例えば、新規顧客とリピーターの行動を比較できます。
競合分析競合他社のec(eコマース)活動を追跡し、市場動向を理解し、自社戦略を調整します。
カスタマーサービスデータ分析顧客からの問い合わせやフィードバックを分析し、顧客満足度の向上や改善点の特定に活用します。

「使用方法がわからない」「分析結果をどう反映すれば良いかわからない」という場合は、専門知識が豊富なパートナーの協力を仰ぎ、適切な分析でECサイトの改善点を探り出し、良い方向に反映させましょう。

ec(eコマース)で成功した国内・海外企業の事例6つ

次はec(eコマース)で成功した国内・海外企業の事例を6つ解説します。

1.国内:Amazonジャパン

※出典:Amazon

Amazonは世界中でEC業界のリーダーとして高い知名度を持ち、幅広い商品カテゴリーや顧客ニーズを満たすサービス、そして徹底した顧客ファーストのカスタマーサービスが魅力的です。

そんなAmazonは、2億人を超える顧客が利用している「迅速な商品の発送」や「ストリーミングサービス」「読書サービス」などの特典が利用できるAmazon Prime会員が最も有名な成功事例でしょう。

ECサイトを利用する上で顧客が意識する「商品の発送時期」や、中長期的に利用できるサービスなど顧客の「あれがあったら良いな」を実現させ、顧客忠誠度を高めています。

ほかにも、1つアカウントがあれば簡単に決済ができるAmazon Payは、ECサイトだけでなくQRコードを利用すれば実店舗でも利用できる点や、Amazonマーケットプレイス保証の利用などもAmazonならではの事例です。

Amazonは今後もECサイトを引っ張っていく革新的なアイデアの実行で顧客を増やし、売上を増加させていくであろう存在でしょう。

2.国内:ユニクロ

※出典:UNIQLO

ユニクロこと、ファーストリテイリンググループは「リーズナブルな価格で高品質な商品」が手に入るとして人気の企業です。

そんなユニクロはEC事業の基盤として「店舗」と「EC」を融合した独自のコマースプラットフォームを導入し、オンラインストアを急成長させました。

ほかにも、オンライン上で接点を持つ顧客を実店舗に誘導するマーケティング手法「O2O」を利用した事例では、店舗とECの在庫一元化を実現させて「ECサイトで商品を購入して店舗で受け取る」「店舗から商品を顧客の自宅へ配送する」などのサービスを展開するなど、顧客目線を貫いたことによる成功事例が特徴的です。

さらにユニクロのモバイル会員に向けて「店舗で支払いをする際に使用できるクーポン」を配布し、通常価格よりもお得に商品が購入できるという施策も行っています。

このように、ユニクロは独自のコマースプラットフォームとO2O施策によって多くのECサイトでも成功を積み重ねている企業と言えるでしょう。

3.国内:資生堂

※出典:株式会社資生堂

株式会社資生堂は化粧品の製造や販売を事業とする企業で、化粧品国内シェア第1位、世界で5位と驚異的な知名度を誇ります。

そんな株式会社資生堂は「ワタシプラスby資生堂」という化粧品や美容の情報コンテンツを豊富に配信しているECサイトを展開しており、中国本土や米州などに広げた事業も売上は順調です。

定期的にECサイト分析を行い、必要であればフルスクラッチでサイト全体を強化するなど、ECサイトの運営に余念がない株式会社資生堂は、顧客の顕在ニーズと潜在ニーズを満たせるECサイトとして、高い評価を得ています。

また、ワタシプラスby資生堂では、情報コンテンツはもちろんのこと、サイト内にはバーチャルメイクができる機能が設置されており、化粧品業界で初めての試みにチャレンジし、大成功を収めています。

4.海外:HiSmile

HiSmileは、オーストラリア発祥のブランドで、デンタルホワイトニングキットやマウスウォッシュなどの口腔ケアをオンラインで販売している企業です。

Instagramを中心に若年層に向けたコンテンツの提供や、無料トライアルサービスで実際に顧客へ製品を試してもらうサービスなどを展開しています。

HiSmileの認知度が広まったのはInstagramのインフルエンサーに行った無料の商品提供です。

地元に特化したマイクロインフルエンサー達に商品を提供し、宣伝してもらう、を繰り返した結果、ブランドの認知度を高め、会社設立から約1年半後には1,000万ドル( 約14億9,276万113円)※1の売上を達成しています。

HiSmileは最初から多額の資金をかけて宣伝広告を行って成功したわけではありません。

しっかりとした戦略と行動によって大きな反響を得られるようになったECサイトの成功事例と言えるでしょう。

※1:2023年9月27日時点

5.海外:Warby Parker

※出典:Warby Parker

Warby Parkerはアメリカの人気アイウェアブランドです。メガネと聞くと「高額」というイメージを払拭し、手ごろな価格で、高品質なメガネを提供しているという点から高い顧客満足度を得ています。

そんなWarby Parkerは2017年、アメリカで99年ぶりに起こるイベント「日食」に無料日食グラスを配布する取り組みを行い、自社のECサイトやSNSで日食に関するコンテンツを多数発信しました。

ほかにも、ECサイト上で顧客が5つのフレームを選択するとそれらを無料で5日間試着できるというサービスの展開や、日食というレアな体験に自社ブランドを紐づけることによって、自社ブランドの認知度を高めたのです。

これらの結果、2015年には「最もイノベイティブな50社」の堂々1位にランクインするなど、話題性とSNSを有効に活用した成功事例の一つと言えるでしょう。

※出典:「2015年 最もイノベイティブな50社」-FAST COMPANY

6.海外:Alibaba

※出典:Alibaba

Alibabaは、中国のec(eコマース)企業です。

Alibabaは「アリペイ(Ali pay)」や「タオバオ(Taobao)」など幅広いサービスを展開しており、中国市場だけでなく国際市場でも大きな成功を収めています。

Alibabaは、毎年中国の独身者を祝う日にシングルデー(または双十一)と呼ばれる大規模なセールスイベントを開催し「幅広い層の顧客が買い物を楽しめる日=Alibabaのシングルズデー」であるとして認知度を高めました。

またECサイト上の販売者はオンライン認証テストによって身元情報を確認するため、顧客は安心して商品を購入できる点や、購入から7日以内であれば全額返金制度など、顧客目線のサービスを多く展開している点も魅力です。

ほかにも、Alibabaは一つのビジネスモデルに囚われず「CtoB」や「BtoB」「OtoO(Online Offline)」など様々な方法で事業を展開し、顧客・事業者双方にメリットがあるECサイトを提供・展開しています。

中国の市場だけに収まらないビジネスプランや戦略的思考、顧客志向のアプローチなど、様々な要因が絡み合って大きな成功を掴んだ事例と言えるでしょう。

ec(eコマース) は今後どうなる?

これまでの情報を基に、今後もec(eコマース)は市場を拡大していくと考えられます。

またec(eコマース)はまだまだ発展途上で、AIやVRといった新技術の導入が広まれば、さらに飛躍していく可能性を秘めています。

気になる方は、一度本格的にビジネスプランやモデルを明確にしてみても良いでしょう。

まとめ

本記事では、ec(eコマース)について市場規模や8つのメリットと5つのデメリットを解説しました。

実際の業務内容も解説していますので、何度も読み返して今後のECサイト構築・運営に役立ててください。

興味関心がわいた方は、ご自身や企業でリサーチを進めたり、信頼できるパートナーの協力を仰いだりしてec(eコマース)のビックウェーブへ乗る準備をして見てはいかがでしょうか。

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