リピート率は、企業の売上や顧客満足度に直結する重要な指標です。しかし、リピート率の向上には、顧客の不満解消や競合他社への対策など、さまざまな課題があります。本記事では、リピート率の意味や計算方法、重要性について解説するとともに、リピート率を低下させる要因や向上のための施策、業界別の平均リピート率などを紹介します。リピート率向上のポイントを押さえ、顧客体験の向上を図ることで、優良顧客の育成につなげましょう。
リピート率とは、商品やサービスを利用した顧客のうち、再び購入に至った顧客の割合を示す指標のことです。「一定期間のリピート客数÷累計新規顧客数×100」という計算式で求められます。
例えば、1,000人の累計新規顧客のうち、50人が再度購入してくれた場合のリピート率は、「一定期間のリピート客数(50)÷累計新規顧客数(1,000)×100」で、5%となります。
この計算式から分かるように、顧客の再購入が増えれば、リピート率は上昇します。
リピート率とよく混同されるのが「リピーター率」です。リピーター率とは、ある一定期間内でのリピーターの比率を表す指標のことです。一見似ていますが、リピート率とリピーター率は全く別物の指標なのです。
リピーター率は、「特定の期間内でリピート購入した客数÷同期間の総顧客数×100」で算出されます。この計算式の特徴として、「新規顧客数」が考慮されていないことが挙げられます。そのため、リピーター率が高い数値でも、必ずしも好ましい状況であるとは限りません。
例えば、「新規顧客が減少し、常連客だけが残っている状態」の場合、リピーター率は高い値を示すことがありますが、企業側から見れば必ずしも望ましい状況とは言えないのです。
ここでは、リピート率が重要な理由を、「収益向上」と「優良顧客」の2つの観点から説明します。
リピート率が高いと、収益向上につながりやすくなります。その理由は、「総合的な購入回数」を考えると理解しやすいでしょう。
企業の収益(売上)は、「顧客の商品購入回数」に比例します。つまり、「商品の購入回数がどの程度あるのか」が重要なのです。総合的な購入回数は、以下の式で決まります。
| 総合的な購入回数=顧客数×平均購入回数 |
要するに、顧客を多く獲得するほど、そして1人の顧客に何度も商品を購入してもらうほど、総合的な購入回数(つまり売上)が増加するのです。
したがって、平均購入回数(1人あたりの購入回数)を増やせば、企業の収益に好影響を与えます。平均購入回数を増やすためにも、リピート率を上げることが重要なのです。
もう1つの重要なポイントは、「優良顧客に育成すること」です。優良顧客とは、自社の商品・サービスを繰り返し購入してくれる顧客のことです。企業の売上は、この優良顧客の購入によって、大きく左右されます。
優良顧客の重要性を示すものとして、「80:20の法則」があります。これは企業の売上の80%が、優良顧客の20%によってもたらされている、という考え方です。つまり、優良顧客を増やせば増やすほど、売上に好影響を与えるのです。
リピート率を把握することで、「新規顧客のうち何%が2回目以降の購入に至ったか」、言い換えれば「どれだけ優良顧客として育成できたか」を知ることができます。このような意味でも、リピート率は重要な指標なのです。
リピート率は以下の式で算出されます。
リピート率(%)=ある期間のリピート客数(人)÷累計新規顧客数(人)×100
例えば、累計新規顧客数が500人、その期間に再購入した人が200人だとすると、200÷500×100=40となり、その期間のリピート率は40%になります。
一方、リピーター率の計算方法は以下の通りです。
リピーター率(%)=ある期間のリピート客数(人)÷ある期間の新規顧客数(人)×100
リピート率を上げるために、マーケティング施策を実施することもあります。ここでは、マーケティングにおいてリピート率を重視する理由を3つ紹介します。
リピーター顧客を獲得するためのコストは、新規顧客の獲得コストよりも低いとされています。マーケティングの「1:5の法則」では、新規顧客の獲得にはリピーター顧客の獲得の5倍のコストがかかるとされています。
新規顧客を獲得する際は、ブランドや商品の認知向上のために、広告やプロモーションへの投資費用が必要です。一方、既存顧客はすでにブランドや商品を知っているため、集客コストを抑えられます。
リピート率は、顧客満足度の指標にもなります。例えば、商品に満足した顧客は、再度購入するという行動をとるでしょう。
逆に、商品への満足度が低く気に入ってもらえなければ、リピートには至りません。リピート率が高い商品は、顧客満足度も高い商品であると考えられます。
つまり、既存顧客のリピート化は費用対効果が高く、リピート率を上げることが顧客獲得コストの削減につながるのです。
リピート率が高ければ、商品を2回以上購入してくれる顧客が多いということです。2回購入した顧客は、今後も繰り返し購入してくれる可能性が高いため、安定的な売上獲得が見込めます。
商品を複数回購入してくれる顧客を「優良顧客」と呼び、優良顧客を増やすことで事業の成長も期待できるでしょう。
リピート率の上昇は、企業の売上増加や顧客満足度向上につながりますが、時にはリピート率が下降することもあります。そのため、リピート率を下げる原因を把握しておくことが重要です。ここでは、リピート率低下の2つの要因について説明します。
商品・サービスに対する不満
リピート率低下の一因は、商品やサービスに対する不満です。初回購入時に不満を抱くと、リピート購入には至りにくくなります。
不満の原因はさまざまですが、例えば、商品やサービスの品質が価格に見合っていないといった根本的な問題がある場合もあるでしょう。また、問い合わせへの対応の遅さなど、サポート面での課題がある可能性もあります。このようなさまざまな不満が、リピート率の低下を招いていると考えられます。
リピート率低下のもう一つの要因は、競合他社の商品・サービスへの乗り換えです。
自社と品質や価格が同等の競合商品・サービスが存在する場合、サポート体制やキャンペーンなどの違いにより、競合他社に顧客を奪われる可能性があります。
顧客から自社の商品やサービスに対する不満の声が聞かれないにもかかわらず、リピート率が低下している場合、競合他社への乗り換えが起きているかもしれません。競合他社がキャンペーンなどを実施しているか確認し、対策を講じることが求められます。
自社の商品やサービスのリピート率低下の原因が特定できたら、改善のための施策を検討しましょう。リピート率向上には様々な要因が絡むため、複数の施策を組み合わせ、実施するたびに反応を分析し、自社に最適な施策を見出す必要があります。ここでは6つの施策を紹介します。
アフターフォロー・サポート体制の強化
リピート率向上のためには、購入後のアフターフォローとサポート体制の強化が必要です。顧客からの問い合わせやクレームなどに、迅速に対応できる体制を整えることが大切になります。
また、自社の商品の特性に応じて、使い切る前のタイミングやメンテナンス時期に再購入を促すのも有効です。
購入後のアフターフォローやサポートは、顧客の満足感と好感度を高め、リピート購入につなげる重要な施策と言えるでしょう。
リピーター向けの特典提供も、リピート率向上に寄与する施策です。一般的に顧客は、特別扱いされることを好む傾向にあります。リピーター限定の「お得意様割引」「特別企画」など、特典を受けられるようなキャンペーンを提供することがおすすめです。
どのようなメリットを提供すべきかは、商品やサービスによって異なります。BtoC の場合は、限定商品の用意や優先販売の実施などが考えられます。BtoB であれば、有料サービスや情報を一定期間無料で提供することも効果的です。リピーターが今以上に「これは欲しい!」と感じるようなメリットを提供できたのであれば、その後の継続購入にもつながります。
紹介制度の整備も、リピート率向上に役立ちます。紹介制度とは、既存顧客に友人や知人を紹介してもらい、購入に結びつけば、紹介者・被紹介者の両者に何らかの特典を提供する仕組みのことです。
口コミで顧客が広がる BtoC の分野で使用されることが多い手法です。リピート率向上のほか、新規顧客獲得にもつながり、売上を安定させながら拡大するのに効果的な施策と言えます。
会員制度・特典制度の拡充も、リピート率向上のための有効な施策です。
顧客のみが加入できる会員制度を設け、会員向けの特典を用意します。
会員特典が魅力的であるほど、購入への動機付けは強まるでしょう。また、会員制度を導入すれば、ポイントサービスや会員ランクも設定できます。
ポイントサービスは、購入金額に応じてポイントを付与し、一定期間に貯まったポイントに応じて特典をプレゼントする仕組みです。
会員ランクは、購入金額に応じてシルバーやゴールド、プラチナなどのように会員をランク分けし、もっと大きな特典が得られるようにするシステムです。より多くの特典を提示することで、リピーターのさらなる購入を促すことができます。
顧客の誕生日といった「特別な日」に、メッセージや特典をプレゼントすることも、リピート率向上に一役買います。初回購入時に誕生日といったような情報を取れるようにしておけば、簡単に実施できる施策で、顧客の購買意欲を高められます。
対象を顧客全員にして実施すれば、2回目のリピートを促す効果が期待できます。さらに、対象を会員のみに絞り込み、特典内容を充実させれば、対象者がリピート購入する可能性をより高められます。
商品・サービスの満足度調査
リピート率向上のためには、商品やサービスの満足度調査も必要です。定期的なアンケートなどを通じて、自社の商品やサービスの現状を把握することが重要です。
調査結果に基づき、サービスや商品の質を高め、顧客満足度を向上させらることができれば、リピート率の上昇にもつながります。
商品やサービスに応じて質問内容を十分に吟味し、定期的に調査を実施すれば、回答の変化を追跡しながら改善策を講じることも可能になるでしょう。
企業は複数の施策を組み合わせて実行することで、リピート率を引き上げることができます。
また、リピート率向上を目指す際には、留意すべきポイントがあります。ここでは、リピート率を上げるために重要な2つのポイントを説明します。
休眠顧客とは、過去に何度かリピート購入してくれたにもかかわらず、気づかぬうちに購入をやめてしまった顧客のことを指します。
休眠顧客に再び購入を促すのは簡単ではないため、リピーターが休眠顧客化しないよう対策を講じる必要があります。定期的なコミュニケーションを絶やさないことが重要です。リピーターの育成だけでなく、リピーターの維持にも力を入れましょう。
価格競争に巻き込まれないことも、リピート率向上のポイントです。競合他社との競争が激化している状況では、値引きは集客に大きな効果を発揮する手段です。しかし、頻繁な値引きの実施は、自社のブランドイメージを損なう恐れがあります。
常に値引きをしているというイメージが定着すると、通常価格で購入してくれる顧客は減少し、継続的なリピートにも悪影響が及びます。値引きは慎重に検討すべき施策であるため、価格競争に巻き込まれないような差別化戦略を優先するのが賢明です。
リピート率を上げるためにも、リピート率の平均値を把握しておくことが重要です。一般的なECサイトのリピート率は30〜40%と言われています。平均リピート率は業界によっても異なるため、ここでは業界別のECサイト平均リピート率を紹介します。あくまで参考値であることにご留意ください。
化粧品・健康食品ECサイトのリピート率は約50%ほどと言われており、一般的なECサイトの平均リピート率と比較して高めです。化粧品や健康食品は消耗品であり、繰り返し購入しやすい商品だと言えるでしょう。
化粧品や健康食品のECサイトでは、リピート率向上のためにポイント制の導入やキャンペーンの実施などが行われることもあります。リピート率を向上させるためには、商品の特性とユーザーのニーズに合致したマーケティング施策の実践が重要な鍵となります。
アパレルECサイトのリピート率は約35%で、一般的なECサイトの平均程度となります。アパレルの場合、ブランドによっては、リピート率が50%を超える場合もあります。競合他社のリピート率が高い場合は、自社の商品へ乗り換えてもらうのが容易ではないと言えます。
SNSやWeb媒体、広告などを活用したマーケティング戦略も視野に入れ、効果的な施策の実施が求められます。
旅行サービスECサイトのリピート率は約45%で、一般的なECサイトの平均リピート率と比較して高めです。さまざまな旅行サービスがありますが、ユーザーは同じサービスを繰り返し利用する傾向にあるので、キャンペーンの実施などを通じて自社を選んでもらえるよう工夫が必要です。
リピート率向上のためには、利用回数に応じたボーナスポイントの付与や、2度目以降の旅行での個人情報入力の省略など、ユーザーの利便性に関わる施策が効果的でしょう。
PC・家電ECサイトのリピート率は約25%で、一般的なECサイトの平均より低めです。PC・家電等は頻繁に買い替えるものではありません。結果としてリピート率が低くなる傾向にあります。
PC・家電ECサイトを運営する場合、機器の中でも比較的買い替え頻度が高いものを積極的にアピールするのも一案です。例えば、マウスやキーボード、クリーナーなどの周辺アイテムの取り扱いや、アイテムの種類を豊富に取り揃えることで、リピートにつなげられる可能性があります。
家電のECサイトのみで見ると、平均リピート率は35%ほどになります。家電のECサイトでは、食品や文房具、衣類など、さまざまな商品を取り扱っていることが、リピート率の高さに直結しています。
見込み顧客を商品・サービスを購入してくれる状態まで育成し、リピート購入してくれる優良顧客へと成長させるまでの一連の活動を「顧客育成」と呼びます。Webやアプリ上で顧客育成を行っていくためには、顧客体験の向上が欠かせません。
リピート率は、企業の売上や顧客満足度に大きく影響する重要な指標です。リピート率の向上には、顧客の不満解消や競合他社への対策、各種施策の実施が欠かせません。また、業界によってリピート率の平均値は異なるため、自社の状況を把握し、適切な目標設定と施策の組み合わせが求められます。
休眠顧客を生まない工夫と価格競争への巻き込まれ回避という2つのポイントを押さえつつ、顧客体験の向上を図ることで、リピート率の向上と優良顧客の育成につなげることができるでしょう。
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